洒落者の美学 -男達のこだわり

男性ならではのこだわりを紹介する【洒落者の美学】さて、今回のゲストはどんなこだわりを聞かせてくれるのでしょうか。

中原 潤

フラメンコダンサー中原潤

第4回目のゲストは今、若手ダンサーとして大躍進中のフラメンコ界の貴公子こと中原潤さんです!

1:衣装や靴にこだわりはありますか?

デザインや動きやすさなどこだわりあります。

踊っているのお写真を見るだけでも。こだわりありそうと思っていました!

2:こだわりについて教えてください

フラメンコダンサー中原潤

靴は今履いている物はガジャルド、アントニオ・ガルシア、セノビージャで特にメーカーにはこだわりなく、気に入ったデザインと良い音のする物、足にピッタリ合ったものを選んで履いてます。僕は足がサイズの割に幅が広いのでAA(ドブレアンチョ)という幅広のものでオーダーすることが多いです。最近はボタよりも短い靴(名前わからないです🙏)を履くことの方が多いです。

衣装は体のラインにしっかりフィットしていて、動きやすいもの選んでいます。あと僕は汗っかきなので衣装は本番のたびに必ず洗いたいのですが、素材がデリケートで高価なもの(シルクなど)ですと色あせたり縮んだりしてしまうので、あえてポリエステルなどを選ぶこともあります。

衣装の素材はやはり気になるところですね。筆者も洗えるのかどうかドキドキします。短い靴は土方さんや稲田さんが言ってたカラクテル(キャラクターシューズ)ですね。

3:衣装や靴はどこで購入されますか?

フラメンコダンサー中原潤

男性用の靴は日本にあまり種類がたくさんないので、念入りに試し履きしたいことなどもあって、スペインに行った時にまとめてオーダーすることが多いです。日本でしたら最近、新宿のセノビージャで一足作って頂きました。とても気に入っています。

衣装は市販ではなかなか売っていない柄物のベストやジャケットが欲しい時は日暮里で好きな生地を探して来て、いつもお世話になっている衣装屋さんに作って頂いてます。 既製品のワイシャツやスーツを着ることもたくさんあります。市販のもので伸びるストレッチ素材のものは少ないので普段から買い物する時など常にチェックしていて、気に入ったもの、動きやすいものは色違いで何枚も持っていたりします。

靴はやはり念入りに試し履きされるのですね。日暮里は服飾デザイナーさんやソーイング好きな方の聖地だとか!繊維関係の問屋街が有名ですね。

4:中原さんはCAFフラメンココンクールで優勝されるなど、大きな舞台での活躍が多数おありですが、大きな舞台の時とタブラオでは衣装の選び方を変えたりするのでしょうか?

タブラオの舞台ではワイシャツにちょっと1枚羽織ったようなラフな格好で出ることもあります。お客様が近い舞台では派手すぎる衣装ですとうるさい時もあるのでバランスを考えています。 逆に大きな劇場の時は遠くから見ても映えるように普段より派手目な衣装にすることが多いです。

お客様が近いタブラオと大きな劇場ではやはりこだわりがあるのですね!

5:最後にこだわりポイントなどあったら教えてください

フラメンコダンサー中原潤

柄物を選ぶ時にフラメンコからかけ離れすぎた模様を選ぶとフラメンコらしさがなくなってしまうような気がするので、水玉やペイズリー、花柄などで違和感がないように気をつけています。 その他に個人的な目安なのですが、全身で使って良い色は3色までで抑えるようにしてます。これはあまり飾りすぎてガチャガチャしないためです。

あと最後は気分を最優先することを大事にしています。それぞれの曲で自分が思うイメージに近いもの、人から似合っていると言われても今の自分らしくないなと思ったら着なかったりします。

今回はお忙しい中ありがとうございます。これからも気品溢れる素敵な踊りを見せてください。

貴公子と呼ばれる品のある佇まいそのままに、インタビューにも誠実に丁寧にご回答いただいて踊りに人柄が強く表れていると感じました。今伸び盛りの若き貴公子のこれからの活躍が楽しみです♡

中原 潤 フラメンコ舞踏家

幼少期より新田和子氏にフラメンコの手ほどきを受ける。19歳で初めて渡西。帰国後、稲田進氏に師事。日本フラメンコ協会主催『第24回新人公演』にて群舞部門奨励賞受賞。『第6回エルスール財団新人賞(フラメンコ部門)』受賞。その後、数回にわたりスペインへ留学。第10回CAFフラメンココンクール優勝。フジテレビ 『めざましテレビ キラビト!』に出演。
小澤征爾オペラ公演『カルメン』のツアーにダンサーとして出演。同年8月よりマドリードの王立舞踊学校に留学。マドリードのTaberna Flamenca El Cortijoに出演。現在若手舞踊家として様々な公演に出演している。

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洒落者の美学 -男達のこだわり-

男性ならではのこだわりを紹介する【洒落者の美学】さて、今回のゲストはどんなこだわりを聞かせてくれるのでしょうか。

永田 健

フラメンコダンサー永田健

第3回目のゲストは「日本に恋した、フラメンコ」で日本全国47都道府県制覇を果たした永田健さんです!

1:衣装や靴にこだわりはありますか?

男性は日本ではフラメンコ衣装専門店でも売ってないし、女性に比べると選択肢は少ないと思います。僕もあまり新しく買いませんが、劇場公演などあると必要に応じて赤いスーツを準備したりすることはあります。通常は黒と白のスーツがメインですが、あとは少し派手なジャケットを買ってバリエーションを増やすとか。

男性の衣装はフラメンコの衣装屋さんでお見掛けしないので、どこで購入されるのか?からこの企画を思いつきました(笑)

フラメンコダンサー永田健

2:こだわりについて教えてください

男性の場合スカートがない分、足のシルエットが大事なので、そこの見栄えは意識しています。あとは汗をかくので、動いても破れない生地が大事です。生地が固いとしゃがんだ時にお尻が破れます・・・。既成のスーツだとなかなか踊りに適しているものが少ないのが悩みの種?

確かに激しい動きに対応できる素材!大切ポイントですね。店頭への商品の品出し作業でしゃがんだら、ビジネススーツのお尻が敗れた男性の上司がいました(笑)

3:衣装や靴はどこで購入されますか?

フラメンコダンサー永田健

特に決まっていません。ショービジネス向けにいろんな色のシャツを売っている店や、ZARA、普通のスーツ屋さんなど、その時々です。

良いものを発見したら購入!と言った感じでしょうか。

4:永田さんは「日本に恋した、フラメンコ」で日本各地を回られた時に、色々な衣装を着て踊っていましたが、コスプレなどにご興味があるのでしょうか?

フラメンコダンサー永田健

特にありませんが、日本人なので和装は着こなせたら、という想いはありました。学生の頃、東南アジアを周る国際協力事業があってどこの国の民族衣装を着ても似合ったのに、侍の格好だけ似合わなかったのがややコンプレックス?だったので、ようやく和装が似合うようになってきたのかな?

PVで侍の衣装で踊っていましたね。下駄で普通に足を打っているところが凄すぎです!YouTubeでチェックできます。

5:最後にこだわりポイントなどあったら教えてください

フラメンコダンサー永田健

フラメンコなので赤系が好きですが、踊る曲のイメージに合わせます。シギリージャとかだと衣装も暗くなりがちですが、たまには気分を変えて明るい色で踊るのもありかな、と思ってます。

今回はお忙しい中ありがとうございます。これからも男性的なかっこいい踊りを見せてください。

信念を貫く強さが表れているのでしょうか?踊りにシャープで硬質、透き通っている印象を受けました。衣装もこだわりが強いのかと思いきや、意外とラフ?なギャップが印象的でした。

永田 健 フラメンコ舞踏家

大和証券から社費でMBA留学するも、退職/中退してスペインに渡りダンサーに転身。2013年、日本フラメンコ協会新人公演で史上初の満票で奨励賞を受賞。日本を代表する男性舞踊手として全国で公演活動する一方で豪雨の中踊る「Flamenco in the Rain」、47都道府県の名所で770人が和装で踊る「日本に恋した、フラメンコ」など、フラメンコの枠を超えた映像作品も多数制作。世界のダンスにチャレンジ中。マールボロの公式サイト映像にも出演するなど海外でも注目される。

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土方憲人 

フラメンコダンサー土方憲人

第2回目のゲストは若手フラメンコダンサー土方憲人さん。ライブを拝見して感じたこだわりポイント?!もバッチリお伺いしてみました!

1:衣装について教えてください

衣装に関しては、あまりブカブカとしたものよりかは、身体のラインが出やすいようになるべくタイトなモノを選ぶようにしています。踊っているとパンツの股下が傷みやすいので、ある程度しっかりとした作りであるというのも欠かせません。

女性の衣装も身体のラインを意識しますが、土方さんもラインを意識して衣装を選ばれるのですね!

フラメンコダンサー土方憲人

2:靴について教えてください

靴に関しては、数年前からガジャルドのカラクテル(キャラクターシューズ)でほぼ同じ形で統一させてます。キャラクターシューズの方が個人的には履き心地も良く、踊りやすく感じます。見た目もカッコいいので、気に入っています。

今人気のカラクテル(キャラクターシューズ)は見た目よし、履き心地よしなのですね。

3:衣装や靴はどこで購入されますか?

フラメンコダンサー土方憲人

衣装は、気に入っている代官山のイタリア製スーツのセレクトショップ(名前は忘れてしまいましたゴメンナサイ)で何着か揃えました。ここの物はなかなか値が張りますが、作りもよく長持ちするので、お気に入りです。あとは、ZARAやH&Mで少し安めの物も買ったりします。

代官山!!おしゃれですね♡

4:土方さんはシャツにこだわりがあるように思うのですが、意識していらっしゃいますか?

フラメンコダンサー土方憲人

特に高い物はありませんが、意外と花柄のシャツが好きです。花柄はLIVEや舞台映えするので、割と自分の好きなテイストのシャツを見つけた時は買ったしています。

花柄のシャツ、とてもお似合いだと思います。

5:最後にこだわりポイントなどあったら教えてください

フラメンコダンサー土方憲人

最当たり前かもしれませんが、気に入った物しか買わないようにしてます。あとは、あまり安過ぎてもすぐに傷んで着れなくなってしまうので、靴にしろ衣装にしろ、多少高くても長く使用できる良い物を選ぶようにしています。その方が思い入れや愛着も湧きますし、それを来て表現をした時の自分のテンションの上がり方も全然違います。 あとは、好きな踊り手に頂いたパニュエロや作って頂いた衣装もやはり大事にしています。

今回はお忙しい中ありがとうございます。また、素敵な踊りを魅せてください!

スラリとした身体から繰り出される、モダンな要素を含んだ土方さんの踊りを引き立てる秘密がインタビューからちょっと垣間見えた気がしました。

土方憲人 フラメンコ舞踏家 講師 振付家

大学在学中に伯母でフラメンコ舞踏家の大塚千津子の下フラメンコの世界に入る。フラメンココンクール受賞によりスペインマドリードの舞踊学校に留学。フラメンコのほかにクラッシックバレエ、クラシコエスパニョール、コンテンポラリーダンスも学ぶ。帰国後、大塚千津子フラメンコ舞踊アカデミアにて講師を務めその後独立。現在、土方健人フラメンコ教室を主催、後進の育成にも務める。

 

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稲田進 【靴編】

稲田進のフラメンコシューズ

第1回目のゲストは「内圧と間」で圧巻の踊りを魅せる稲田進さんです。あの凄い踊りを支える「靴」についてお話を伺いました。

1:靴について教えてください

基本的にブーツ型ボタを履きます。最近の流行で男性でも、ブーツではなく普通の通勤靴のような「キャラクターシューズ」を履く人もいますね。最近の流行でキャラクターシューズを履くときはくるぶしまでのスキニージーンズをはき、丈の短いソックスを着用してくるぶしが見える感じで着こなすのが流行りです。

2:稲田さんはキャラクターシューズはどうですか?

足首を捻挫しそうなので、履かないですね。

そうなんですね(笑)

3:エナメル素材の靴を良く履いている様ですが、お好きなんですか?

はい、そうですね。

ちなみにエナメル素材の靴は、足を揃えた時に靴同士が張り付いてしまい、「おっと!」となることが。また、素材として革よりも破れやすいので、出来れば「本番用」として使った方が良いと思います。レッスンで使いすぎて本番までにダメになってしまってはもったいないですよね。

素材として強い順は、革、エナメル、蛇革、スエードです。

4:靴をたくさん持っていらっしゃるのは、おしゃれの為ですか?

おしゃれと言うか、買ってから半年位でダメになってしまうのである程度の頻度で購入するといった感じですね。

半年で??凄いですね!!

       

5:靴へのこだわりなどあったら教えてください

最近は誰もはいてない靴を履きたくて、踵の色を変えたり。他の人が持っていない自分だけのオリジナルの靴を作っています。

例えばこの靴は誰も持っていないと思います。

ヘビ革の稲田進のフラメンコシューズ正面

確かに、斬新なヘビ革で凄いですね!!

     

紫色の稲田進のフラメンコシューズ

  

紫色の稲田進のフラメンコシューズ

これは紫の靴で踵が金色!誰もやらない感じになってます。(笑)

白色の稲田進のフラメンコシューズ

  

白色の稲田進のフラメンコシューズ

この白い皮は踵がシルバーこれも誰もやっていないと思います。先程の紫と金とはまた違う感じに仕上がっています。

  

ヘビ革の稲田進のフラメンコシューズ

蛇皮は白の蛇皮を探して真ん中に大きな柄のところが来るようにしてもらって。踵はは黒の革です。この靴は誰も持っていないと思います(笑)

                    

黒エナメル素材の稲田進のフラメンコシューズ

  

黒エナメル素材の稲田進のフラメンコシューズ

            

そして、よく使っているエナメル素材の靴です。

  

ちなみに男性の靴の場合はつま先のソール部分を二重にしてラティギージョなどの音を出しやすくするデザインの靴をオーダーすることも多いです。

今回は興味深い内容のお話をありがとうございます。
稲田さんの靴へのこだわり、そしてパワフルな音の秘密がちょっと垣間見えたような素敵なお話でした。

  

稲田進  フラメンコ舞踏家

稲田進は“内圧と間”の第一人者であり、日本を代表する男性フラメンコダンサーの一人です。その類いまれな存在感とリズム感、圧倒的なサパテアードの技術など、多くの専門家より高い評価を得ています。また、指導力にも定評があり、コンクールでは10年連続で多数の入賞者を輩出。自身と、自身の持つ舞踊団、共に日本フラメンコ協会主宰のコンクールにおいて奨励賞を受賞しています。